マンガ『地政学ボーイズ』で社会の苦手意識を克服|地理分野の苦手を得意に

おすすめ本



地理、歴史が好きな母の子であり、逆に地歴に全く興味のない父の子でもある我が子。社会は残念ながら父の遺伝子を色濃く受け継いだ模様で、苦手教科の筆頭でした。


小さい頃から遺跡や名所などあちこち連れ歩いたのですが、ワクワク興奮していた母を横目に、父と子は


ふーん、で、ごはん何?




とか、思っていたようです。




子のためと思っていたあの旅、この旅は母の趣味旅でした、完全に。父子よ、興味がないのに付き合ってくれてありがとう。




興味がないのだから覚える気もなく、それに比例して成績も低空飛行。なかなか上昇しませんでしたが、世界地理に光を指してくれたのが、こちらのマンガ。




国が擬人化されて「オフィス地球」で働くという設定の、画風がきれいなイケメンマンガです。


アニメ化もされた『ヘタリア』を彷彿とさせますが、歴史(近現代史)寄りの『ヘタリア』に対して、〝地政学〟の『地政学ボーイズ』。どちらも学習以前に作品として面白いです。






学習マンガは読んでくれない


いくらマンガ好きでも「マンガでわかる〇〇!」といった、いかにも勉強!な学習マンガには見向きもしない我が子。母的にはぜひ読んで欲しかったのですが。

たとえばこのあたり…



こういった長大作のシリーズ系、我が子と同じようにマンガといえども本当に読むか読まないかわからないタイプには、いきなり買うより、まずは図書館にあったら数冊借りてきてみるのがいいと思います。




我が家もはじめは、図書館から数冊ずつ借りてきました。結果、読破したのが母だけならば、読んだのも母だけ。我が子は見向きもしませんでした。勉強がマンガを使って媚びてきてる感じが嫌なんだとか。へぇ…


ちょっと前の学習マンガのような昭和な画風ではなく、今っぽい有名どころの漫画家さんが書いているようなものでも、勉強臭が強いと拒絶反応が出るらしいです。なんてめんどくさい子なの。




『地政学ボーイズ』がオススメ




『地政学ボーイズ』が我が家の蔵書になったのは、学習に関係なく母がハマったのがきっかけでした。我が子はリビングに置いてあったのを手にとって読んでみたのが始まり。


たぶん表紙に〝学習〟〝これでわかる!〟〝コレさえ読めば〟など、「勉強させますよ」なフレーズがあったら、我が子は手に取っていなかったと思います。地政学』の三文字は何かよくわからなかったのでスルーだったと思われる。




絵はキレイだし、1話1話が短めで読みやすいし、国が擬人化されているためややこしい国際関係がドラマのように楽しめるしで、あっという間に既刊まで完読しました。



ちなみに、我が子の推しはカナダくん、母の推しはイギリスさんです。


カナダくんの親離れが遅いところ(アメリカの独立1776年、カナダの独立は1867年)、紅茶をぶちまけてアメリカくん(アメリック)が家出した時も(ボストン茶会事件)、イギリスさんのところに残ったことや(優しい子や)、ヤンチャなアメリックと仲良くしながらも、ダメなところはダメ、イヤなことはイヤとハッキリ物申すところが、キャラとして良いらしいです(あくまで、マンガの中の話)。




イギリスさんは自業自得とは言え、裏で〝イギリス被害者の会〟を作られちゃったり。また、みんなで行動するのがちょっと苦手で、人情に厚いドイツくんをちょっと「うざ…」と思ってそうなそうなところとか(EU時代)、やっぱり1人が気楽だな〜とか思ってるあたりが(EU離脱 / ブレグジット)、何とも言えず魅力的です(マンガの中の話)。






『地政学ボーイズ』の1番の良いところは、なんといっても難しいことやセンシティブで説明しにくいことが、カジュアルに描かれていることだと思います。


ニュースで知る情報が〝ドレスコードのある星付きのレストラン〟だとすれば、『地政学ボーイズ』は短パンにサンダルで行ける〝カジュアルなレストラン〟。


ヨイショと重い腰を上げなくても、フラッと気軽に入れるところが魅力です。




しかも、時間をかけてフルコースをいただくのではなく、時間があるときはゆっくり、時間がない時は手短に楽しむことができます。




内容も、本格的な地政学としては物足りないかもしれませんが、地政学への入り口としてはお釣りが来るほどの充分な内容。


問題が解けた!




既読後の模試で


このマンガを読んでいたからわかった!




という問題がいくつかあり、それ以降、世界地理の問題を解くときはマンガの中のイケメンくんたちが答えを教えてくれるように(教えてくれない時もある)。




このマンガとの出会いこそ、興味がなかった世界地理が社会の得点源に変貌した奇跡の瞬間でした。


もちろんこのマンガだけで、すべてをカバーすることはできません。でも、「世界地理なんて覚えたところで…」と興味もなかった子が、世界地理はもちろん、世界情勢、その背景にある歴史にまで興味を持てたのは、このマンガのすごい効果だと思います。



高校でもお世話になる気満々、母も新刊が出るのが待ち遠しいです。



まとめ


マンガといっても、最近のマンガ好き中学生は目が肥えているので好き嫌いが分かれるかと思いますが、世界地理に興味がない、勉強しているのになかなか得点につながらない、国がイケメンなんて最高か?という方は一読お試しの価値はあり!と思います。



〝勉強〟としてだけでなく、普通に作品として面白いと思います。事実は小説よりも奇なり、いや小説よりも時に面白いものだと感じさせてくれる、親子で楽しめる作品です。














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